ハーバード「白熱教室」


NHKで毎週日曜日に放送中。マイケル・サンデル教授の講義。
テーマは「JUSTIS」(正義・公平)。科目は政治哲学。


大変面白い。
戦後初の政権交代が行われた今の日本にぴったりの番組だ。


私自身だけでなく、家族や、できれば私の友人や実家の親にも観てほしい。
サンデル教授の出すテーマについて考えてみたら、
日本人はもっともっと成熟していけるだろう。


私の若い頃より、今の若い人たち
賢いし、実行力もあるし、品もいい。


でも、義務教育の間に、
いじめという人生の理不尽を学んでしまって、
その中で生き延びるために、表面的で、
しかも強い弱いが底流に流れる人間関係を受け入れて成長してきた。
いじめから救ってくれない教員を「先生」として教わらねばならない。
答えがほぼひとつしかない授業を9年も受けなければならず、
窮屈な価値観に苦しんできた。


世界で最も優秀な学生の集まる大学、ハーバード大学において、
サンデル教授は、
様々な意見を学生から引き出し、
意見を戦わせることを見せてくれる。


自分で考え、自分で意見を言い、
他者の意見を聞いて、自分の考えを検証する。
そして、また考える。


この授業の方法は、テーマを発達年齢にあわせれば、
小学校から取り入れることができる。
実際に行っている私立の小・中学校もある。
日本の教員は、こういう授業を自ら生徒となって体験し
方法論をきちんと学べば、
自分の教室できっと実践していけるだろう。


大学の入試を難しくするよりは、卒業を難しくすれば、
受験のための勉強ではない「学び」を
日本の子どもたちは、手に入れることができる。


「JUSTIS」という視点から、
「個人・社会・国家」の関係や、
「私と他者」、「1人対多数」の関係を考えることは、
全ての人が持つ権利「幸せな人生」を得るための
ヒントになると思う。


沖縄の基地問題は、自分の住む市区町村に
アメリカ軍の基地を持ってきていいですよ。」と
言えるかどうかの問題だし、
子ども手当は目先の財源論で批判するべき問題なのか。
未来の日本をどうするつもりのか、「労働人口=納税者を減らしていいのか?」という側面を持つ問題として、
全ての大人が知恵をしぼるべき問題だ。


マスメディアが取り上げる短絡的な視点を
鵜呑みにしなくなる賢さを
自分の中に目覚めさせる、
そんな番組を、
良かったら観てみてください。